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動画の写り込みは、どこまで大丈夫?|会社の撮影で、人・他人の著作物・社外秘を分けて確かめること

会社の動画の撮影で映ってしまった物は、人、他人の著作物、社外秘の3つに分けて確かめます。背景に小さくたまたま映ったポスターや音楽は、著作権法の第30条の2という決まりで認められることがありますが、顔が分かる人と社外秘は、この決まりとは別に考えます。人は了解を取るかぼかし、社外秘は撮る前に片付けるのが基本です。迷ったら、切るかぼかします。

この記事では、3つの確かめ方、写り込みの決まりの条件、撮る前と編集の時に見る所を書きます。決まりは、文化庁と裁判所、個人情報保護委員会の資料を確かめた所だけを書いています。この記事は法律の助言ではありません。文化庁のページにも、当たるかどうかは最終的に個別の事例で裁判所が判断すると書かれています。迷う時は、社内の法務か弁護士に聞いてください。書いているのは、株式会社ヒルウラ代表の高取です。ヒルウラは、人の編集チームで累計30,000本以上の動画を納品してきた会社で、会社の動画の編集を1本から請け負っています。

写り込みは、何を確かめる?

写り込みを3つに分けて確かめる図。人は了解を取るか、ぼかす。他人の著作物は小さく、たまたまかを見る。社外秘の物は撮る前に片付ける。迷ったら、切るかぼかす

映ってしまった物によって、考える決まりが違います。

映った物 例 関わること 基本の動き
人 お客様、通行人、他の社員 肖像、個人情報 了解を取るか、ぼかす
他人の著作物 ポスター、絵、キャラクター、流れている音楽 著作権 小さく、たまたまかを確かめる
社外秘の物 書類、モニター、ホワイトボード、取引先の名前 秘密を守る約束、社内の決まり 撮る前に片付ける

著作物の写り込みは、どこまで認められる?

どんな決まり?

著作権法の第30条の2に、撮影などの時に、メインの被写体に付随して映った他人の著作物を、一定の範囲で使えるという決まりがあります。文化庁の資料によると、2020年の改正で、撮影や録音だけでなくスクリーンショットや生配信にも広がりました。条文から読むと、次の所が確かめる点です。

確かめる点 中身
付随しているか 撮りたい物(例:話している人)に伴って映っている
軽微か 動画全体の中で占める割合、映りの細かさなどから見て、小さな部分である
正当な範囲か その著作物を使って利益を得ようとしているか、それを外して撮るのがどれだけ難しいか、動画の中でどんな役割をしているかなどから見る
権利者を不当に害さないか 著作物の種類や用途、使い方から見て、権利を持つ人の利益を不当に害さない

資料には、分けて撮れる物も対象になった一方で、経済的な利益を得るためにあえて入れ込むような使い方は防ぐという趣旨が書かれています。

当たる例、当たらない例は?

文化庁の写り込みのページに挙げられている例です。2020年の改正の前のページですが、考え方の目安になります。

例
当たる 写真を撮ったら、背景に小さくポスターや絵が映っていた
当たる 街の風景を撮ったら、ポスターや街の音楽がたまたま入った。その映像をインターネットで送る
当たらない ポスターや絵そのものを撮りたくて撮り、載せる
当たらない ドラマの大事な場面で、見せるつもりで絵を置いて撮る
当たらない 写り込んだキャラクターの人気を使って、ステッカーとして売る

会社の動画では、どう考える?

上の例は、会社の宣伝の動画について書かれたものではありません。会社の動画は宣伝に使うことが多いので、個人の投稿より慎重に見ることをおすすめします(高取の感覚です)。次の表は法律の基準ではなく、現場の目安です。

場面 見方(高取の感覚です)
オフィスの壁の遠くに、小さなポスターがある 読めない大きさなら、そのまま使うことが多い
話す人の真後ろにキャラクターのカレンダーがある 目立つので、撮る前に外す
街で撮った映像に、お店の音楽が小さく入っている 話の後ろで曲が分からない程度なら残す。曲が分かるなら撮り直す
展示会でほかの会社のブースの作品が大きく映る 撮る向きを変えるか、使わない
商品の使い方を見せる画面に、他社のソフトが大きく映る 付随とは言いにくいので、そのソフトの決まりを確かめる

他社のロゴや商品が映った時も、この決まりだけで考えず、目立つ物は外すか映らない向きで撮ります。わざわざ確かめる手間を考えると、撮る前に外す方が早いことが多いです。研修で資料や音楽を使う時は、社内研修の動画と著作権に書いています。

映った人は、どうする?

第30条の2は、人にも当たる?

当たりません。この決まりは著作物についての決まりです。人の顔や姿は別に考えます。

最高裁の判決は、人の氏名や肖像について、その人自身に結びついた権利として「みだりに利用されない権利を有する」と述べています(週刊誌に歌手の写真を無断で載せた事件の判決で、動画の写り込みについて述べたものではありません)。また、個人情報保護委員会のQ&A(Q7-11)は、会社の行事の写真について、本人を判別できる写真は個人情報に当たること、不特定多数の人に見せる時は同意を得ておくことが望ましいことを説明しています。写真についての説明で、動画について述べたものではありませんが、同じように考えておく方が安全だと思います(高取の感覚です)。

場面ごとに、どう動く?

動き方は次の表のようにしています(高取の感覚です)。

場面 撮る前 撮った後
社内 撮る日と場所を伝え、映りたくない人が外れられるようにする 了解の無い人の顔が分かるなら、ぼかすか切る
お客様のいるお店 撮る時間を空いている時にする。撮影中と掲示する 顔が分かる人は、了解を取るか、ぼかす
展示会、セミナー 主催者の決まりを確かめる。撮影があると参加者に伝える 顔が分かる参加者は、了解が無ければぼかすか切る
街 人の少ない時間と向きを選ぶ 顔が分かる人は、ぼかすか別の場面にする

出てもらう社員の了解は、社員に動画へ出てもらう前の同意書に書いています。お客様に出てもらう時は、お客様の声の動画の頼み方に書いています。セミナーの参加者の扱いは、セミナー動画を公開用に編集するにはにも書いています。

社外秘が映らないように、何を片付ける?

社外秘が映るかどうかは、撮った本人でないと気づきにくい所です。編集する人は、何が秘密かを知りません。撮る前に、次の物を片付けます。

場所 片付ける物
机の上 書類、名刺、手帳、社員証、宅配の伝票
壁 予定表、売上の目標、取引先の一覧、ホワイトボード
画面 メール、チャット、顧客の管理の画面、通知、ブラウザのタブ
外 車のナンバー、窓の外の別の会社の看板
服と持ち物 名札、他社のロゴの大きな服

片付けは、カメラの画面を一度見てから行います。人の目で部屋を見るより、カメラの画面の方が、映る物が絞られて見つけやすいからです(高取の感覚です)。書類の文字のように細かい物は、画面を拡大して確かめます。撮影の準備全体は、社内で動画を撮る時のコツに、画面共有の注意は、ウェビナーの録画を公開用に編集するにはに書いています。

撮った後は、どこで見つける?

誰が見る?

編集する人だけに任せず、次のように分けます。

順 誰が 見ること
1 撮った人 映してはいけない物の一覧を作り、編集の担当に渡す
2 編集の担当 一覧にある物と、顔、画面、文字を見る
3 動画の担当者 初稿を止めながら見る。背景と画面を中心に見る
4 責任者 出す前に確かめる

話を聞きながら見ると、背景に目が行きません。背景を見る回を別に作ると、見落としが減ると感じています(高取の感覚です)。AIで初稿を作る時も、何が社外秘かは社内の人しか分からないので、人が見ます。素材を社外に渡す時の確かめ方は、AI動画編集で社外秘の素材を扱う前に確かめることに書いています。

見つけたら、どう隠す?

手 向く場面 注意
切る 数秒で話が続く場面 話が飛ぶ時は別の映像を重ねる
ぼかす 画面の一部、顔 動く物は枠から外れないか見る
別の映像を重ねる 切ると話が飛ぶ場面 音声に秘密が入っていないか見る
撮り直す 大きく映っていて、隠すと不自然な場面 片付けてから撮る

音声にも気をつけます。話の中の社名や、後ろの会話が聞こえることがあります。ぼかすのは映像だけなので、音声は、その部分を切るか音を消して直します。

公開した後に見つけた時の手順は、YouTubeの動画を公開した後に直すにはに書いています。編集を頼む時は、映してはいけない物を動画編集を外注する時の指示書に書いて渡します。

よくある質問

「小さく映っているだけ」なら、何でも大丈夫ですか?

大丈夫とは言えません。第30条の2は、割合や映りの細かさのほか、目的や役割も見ます。文化庁のページによると、決まった割合の基準はありません。人と社外秘は、この決まりとは別に考えます。

流れている音楽が入っただけなら、問題ありませんか?

文化庁のページには、街の音楽がたまたま入った映像の例があります。ただ、BGMのように聞かせるつもりで残すと、話が変わることがあります。撮影の時は、止められる音楽は止めます。編集で足す音楽の決め方は、動画のBGMを自動で付けるにはに書いています。

了解を取らずに映った人から、消してほしいと言われたら?

法律で決まった手順ではありませんが、まず見えない状態にして、話を聞くことをおすすめします。YouTubeなら、まず非公開にして、その人の場面を切るかぼかしてから戻します。話が進まない時は弁護士に相談してください。

顔だけぼかせば、十分ですか?

顔を隠しても、名札、服、声、場所で誰か分かることがあります。話の内容とあわせて、本人が特定できないかを見ます(高取の感覚です)。

編集を頼めば、確かめてもらえますか?

ヒルウラでは、映してよい場所・画面・顧客情報や、公開前の確認の担当を、あらかじめ整理します。ただ、何が社外秘かは会社の方でないと分かりません。映してはいけない物は、素材と一緒にお知らせください。出してよいかを最後に決めるのは、動画を出す会社の側です。

相談するには

映り込みの直しも含めて、会社の動画の編集は、ヒルウラの編集チームが1本から請け負っています。料金表をご覧のうえ、フォームからご相談ください。

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